先日「小5の小数の割り算がわけわかりません💦」とご相談を頂きました。
まず、「わけわからん」って状態になっているという事は高確率で、これまでに習ってきた前段階でつまずいてるなーと思います。
なので、そうしたレディネスには何が必要なのかも含めた解説動画を作りました▼
ただしこちら37分もあるので忙しくて見てられっかという方のために記事にします。
小5で習うのは「割る数が小数」
まず左側の「1÷2」のような整数÷整数で答えが小数になるものや、「0.6÷3」のような割られる数が小数になるようなものは小4で習います。
なのでここがそもそも分かってない場合は復習が必要です。
小5からは「3÷0.6」や「1.8÷7.2」のような、小数で割る計算を扱っていきます。
小数で割るってどういうこっちゃねん！！！と混乱するのが１つ目の難しさですね。そんな感じでたくさんの「小数で割る割り算」のパターンが登場しますので、さっそく行ってみましよー✨
レディネスチェック
早速始めたいのはやまやまなのですが、「そもそもこれがスムーズにできなかったら小数の割り算クリアすんのきついからね」っていう前提条件（レディネス）があります。
それがこちら▼
小3で習った「2桁×1桁」の計算です。こちらをスラスラと解けるぐらいの計算力がないと、小数の割り算の「仮商予測」でかなり苦戦します。
38×6ぐらいの計算なら10問を3分以内にサクッと全問正解してほしいところ。
計算力だけじゃなく、「小数の位取り」もわかっている必要があります。こちらは小4で学習しました。1/10倍や1/100倍すると桁がどうなるか、0の位置や個数はどうなるかを瞬時に理解できる数感覚が必要です。
まだあります▼
小数の割り算なので、小4の「割り算の筆算」ができる力はもちろん必要です。
特に、「962÷26」のような 割り進み があるものが解けるかが重要ですし、「3500÷70」のような 0の扱い が求められるものも大事です。
また、授業では「割り算の性質」を利用した求め方の解説も行うのでこれらの理解も大切です。
具体的には、「18÷3」と「180÷30」は、商を求める処理としては同じものだという理解が重要です。しかし、あまりがある場合は「22÷6=3あまり4」だけど「220÷60=3あまり40」となります。めんどうですねー。
この辺りが既にわかっていればOKですし、つまずいた時にはこの辺りに原因があるんじゃないかと検討をつけて復習していくと良いわけですね。
Lv.1 整数÷小数のわり算
まずは「6÷1.2」のような形の計算をします。
ここでは割る数と割られる数のどちらも10倍しても商は変わらないという性質を使って解決していきます。
10円玉6枚=60円を3人で分ける場面を考えます。
A）「硬貨6枚を2枚ずつ分けたら3人で分けられる」と考えると「6÷2=3」と表せます。
B）「お金60円を20円ずつ分けたら3人で分けられる」と考えると「60÷20=3」と表せます。
どっちも商は同じだねーと確かめていきます💡
すると 6÷1.2 ＝ 60÷12 と考えることができます。
60÷12は、小4で習った計算なので思い出しながら筆算をして…商は5！！
なので 6÷1.2=5 と求められます。
次に「27÷0.3」のような形を計算します。似ているようなのですが先ほどとは違いがあるので後述しますね。
先ほど同様、27÷0.3 = 270÷3 と考えます。90と商を出します。
27÷0.3=90 です。
ここでは子どものつまずきポイントが2つあります。
①商に０（空位）が含まれる。なので筆算をした時、０の部分を書かずに「９」と誤答する子が出てきます。
②計算結果の商が、もとの割られる数よりも大きくなる。これが感覚的にすごく違和感を覚える子が出てきます。
今まで子どもたちは、「36÷4=9」とか「15枚のクッキーを5人で分けたら3枚ずつ食べられる」とかいう風に、割り算をした結果「商が小さくなる計算」を主にしてきました。
商が元の割られる数より大きくなるというのはびっくらぽんなのです！！
20cmの紙テープとハサミと定規を準備します。
A）20cmのテープを5cmずつ切ると4本に分けられる。20÷5=4
B）20cmのテープを0.5cmずつ切ると40本に分けられる。20÷0.5=40
上記のような体験を通じて、割る数が小さくなればなるほど商は大きくなると確かめます。具体的には割る数が「0＜割る数＜1」の範囲では、商が割られる数より大きくなることを確かめます💡
長いので今日はここまで！！！
後編のLv.2とLv.3の解説はまた後日！！
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小数の割り算に必要な力を育てる
なかッち｜中道 貴洋
デキルバ主宰。夢中力クリエイター
塾講師、小学校教員、児童指導員を経て現在に至る。著書『苦手さのある子も夢中になる算数遊び＆教材アイデア』『苦手さのある子も夢中になる国語遊び＆教材アイデア』、寄稿『授業力＆学級経営力2024年3月号』『特別支援教育の実践情報2025年5月号』、他講演多数。
