「子どもがゲームばかりやっていて、このままで大丈夫なんだろうか…」
そんな不安を感じたことのある保護者の方は多いのではないでしょうか。特に、興味の幅が狭くなりやすい凸凹のあるお子さんの場合、「ゲームばかりで世界がますます狭まっていくのでは?」と心配になります。
今回のデキルバの「しゃべるば」では、「療育」の視点からゲームの役割を捉え直すお話がありました。
結論から言うと、ゲームは関わり方次第で、子どもの「生きやすさ」を広げる大切なきっかけにもなるとのことでした。

デキルバメンバーのさつまいもです。小5の長男と、小2の双子がおり、三人とも毎日家で過ごしています。教科書を読み、問題を解くスタイルの「勉強」に取り組めない長男が、どうすれば少しでも学んで成長していけるか悩んでいる時にデキルバを知って入会しました。よろしくお願いします。
\そもそも「療育」とは?/
大切なのは「生きやすくなるか」
「療育」とは、障害のある子どもが日常生活や社会生活を円滑に営むことができるように、個々の特性に応じた発達の支援を行うことです。
なかッち先生が強調されていたのは、療育で大切なのは「できること」を増やすことではなく、その子が「生きやすくなるかどうか」だということ。この視点で見ると、ゲームの役割がまったく違って見えてきます。
\興味の裾野を広げることが大事/
本当の「強みを伸ばす」とは?
よく「強みを伸ばす」と言いますが、これは一つの得意なことをどんどん尖らせることだと思いがちです。
しかし実際は、好きなものを中心にして、興味の裾野を少しずつ広げていくことだというお話でした。
例えば「マインクラフトが好きで得意」というお子さんの場合、ただマインクラフトだけをし続けるのではなく、下記のようにマインクラフトをきっかけに裾野を広げることが大切だそうです。
- 🪨 鉱石に興味を持つ → 地質の話に触れる → 実際に見に行ってみる
- 🏗️ YouTubeで見たすごい建築 → 現実の建物に興味が広がる
- 💻 コマンドブロックで遊ぶ → プログラミングに触れてみる
このように、好きなことを軸にしながら、少しずつ周辺へと世界が広がっていきます。その中には不安や苦手なことも含まれますが、ゲームが楽しいからこそ、一歩踏み出せることがあるのだそうです。
\ゲームを通じて広がる!?/
人との繋がりと将来の選択肢
人との交流が生まれるきっかけになる

ゲームを通じて友達と遊んだり、オンラインでコミュニケーションをとったりする中で、人との交流が自然と生まれることがあります。
「やりたい」「欲しい」が計画性につながる

ゲームの中で「やりたいこと」や「欲しいもの」が出てくると、「それを叶えるにはどうしたらいいんだろう」と考えるようになります。それが将来の目標やモチベーションにつながっていくこともあるとのことでした。
興味の裾野が広がることが大切

何につながるかは事前にはわかりません。けれど、興味の裾野が広がることで、安心できる場所や選択肢が増えていきます。それが結果として精神の安定や自信につながり、生きやすさを支えていくのだという話でした。
負けを受け止める力が育った
生きやすくなるという点でうちの子どもを振り返ると、以前はゲームで負けると激しく感情的になっていました。
けれど、何年も繰り返し遊ぶ中で、少しずつ負けを受け止められるようになってきました。「悔しい」と言いながらも切り替えたり、自分からやめることを選んだり、今までのように癇癪を起こすことが少なくなっていきました。
そんな変化を見て、ゲームの中で経験していることが、確実に力になっているのだと感じています。

\親の関わり方のポイントは?/
「やめさせる」より「興味を持つ」
親としては、「ゲームばかりやって!」と止めたくもなりますが、そうではなく、「それってどうなってるの?」と一緒に興味を持つことがポイントです。
そこから会話が生まれ、子どもの世界が少しずつ広がっていきます。親が関心を持って聞いてくれることが、子どもにとっての安心感にもつながります。
声かけのヒント
・「それってどういう仕組みなの?」と中身に興味を示す
・「見せて」「教えて」と子どもを先生役にする
・ゲームに関連する現実の体験を一緒に探してみる
ゲームは「生きやすさ」を
広げるきっかけにもなる
- 療育で大切なのは、子どもが「生きやすくなるかどうか」
- 「強みを伸ばす」とは、好きなことを軸に興味の裾野を広げること
- ゲームが楽しいからこそ、苦手なことにも一歩踏み出せることがある
- ゲームを通じて人とのつながりや将来を考えるきっかけが生まれる
- 親は「やめさせる」より「一緒に興味を持つ」関わり方をする方が吉
- 興味の幅が広がることで、安心できる場所や選択肢が増え、生きやすさにつながる
ゲームはただの遊びではなく、関わり方次第で生きやすさにつながる大切な機会にもなる。そんな視点を、今回改めて持つことができました。
なかッち的、今回のしゃべるばポイント

「ゲームばかり」で困るのは、他の体験や運動などの学習をする時間が物理的になくなって、できることが先鋭化してしまうことです。ただしこれはゲームだけでなく、勉強でもスポーツでも読書でも同様です。子どもの「好きなこと」がどんなものであれ、子どもの人生が豊かになるような関わり方を周りの大人も一緒にしていきたいですよねー。

一方で、世の中には「周りや本人の意思に関係なく、それでしか生きられない」という才能もあります。アーティスト的な世界観ですね。この場合は周りの大人がどんなに気を揉んでも無意味です。親としては飯を食わせることだけに集中するぐらいが吉です。じゃないと寝食すっ飛ばすので。
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なかッち|中道 貴洋
デキルバ主宰。夢中力クリエイター
塾講師、小学校教員、児童指導員を経て現在に至る。著書『苦手さのある子も夢中になる算数遊び&教材アイデア』『苦手さのある子も夢中になる国語遊び&教材アイデア』、寄稿『授業力&学級経営力2024年3月号』『特別支援教育の実践情報2025年5月号』、他講演多数。




