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勉強ができない「本当の原因」は勉強じゃなかった——3つの相談事例からわかった”学習のズレ”の正体とは?

画像:テストを見て悩む母親と不安そうな男の子のイラスト。吹き出しに『この子の"わからない"がわからない…』の文字。右側に『その「わからない」学習のズレが原因かも?』のコピーとデキルバのロゴ。 お知らせ
お知らせ

まじめに勉強しているのにできるようになない…

つきっきりで何度も教えているのにすぐ忘れてしまう…

子どもが何がわからないのか、わかってあげられないのがつらい…

そんな経験はありませんか?

実は学習のつまずきの原因の多くは勉強にはないんです。

もちろん、子ども本人が怠けているせいでも、親のせいでもありません。

最も多い原因は

「学習のズレ」

にあるんです。

「学習のズレ」とは
勉強のやり方と本人の得意・不得意がかみ合っていない状態のことです。

一般的に「正しい」とされている方法でも、本人にあっていない方法であれば、
いくら頑張っても「できた!」という手ごたえは得られません。

学習のつまずきのほとんどは、
ただ”ズレ”が見えていないだけ
なのです。

学習のズレが原因なのはわかった。でもどうすればいいの?

「学習のズレ」に気づくのは簡単ではありません。

普段の生活や勉強の様子など、さまざまな角度から専門的な知識を駆使して観察し
「もしかしたらこういうことかも…」という仮説を立てて、そこにアプローチしていくというプロセスが必要になってきます。

この記事では

学習のズレの具体例
学習のズレの原因
どんなアプローチをすれば良いのか

を学習サポートコミュニティ「デキルバ」に寄せられた3つの相談事例をもとにご紹介していきます。

【事例1】
「漢字を勉強したくない」から「漢検を受けたい」に変化したA君

小学3年生になる息子。1年生までは何とか漢字の勉強についていけていたのですが、小2の夏頃からだんだん嫌がるようになり、今では全く書こうとしません。

「書いてもどうせ覚えられない。自分はバカだからやっても無意味」と悲観的な言葉が増え、市販のドリルやアプリなども完全に拒否。

親としては「漢字ぐらい書けなくてもOK!」とも思うのですが、学校では授業などで漢字を書く機会も多く、だんだん学校に行くこと自体も嫌がるようになってきました…。

最近は「漢字を書きたくないから高校にも行かない」とまで言い始めています。

親としては不安や心配で胸がつぶれるような思いです。どうしたら良いのでしょうか?

低学年まではなんとかできていた漢字の勉強に、学年が上がったら付いていけなくなってしまったというA君。

まずはデキルバのサービスのひとつであるZoom相談にて、A君の学校帰りの様子や普段の様子などを細かくお伺いしました。

すると以下のようなことがわかりました。

✅ 書いた字は漢字ドリルやノートの枠内に収まっているし、筆圧も安定している。

✅ お箸の使い方なども問題ない。むしろ工作やブロック遊びなど指先を使う遊びは好き。

✅ ひらがな・カタカナはすぐに読めたけど、書けるようになるまでは幼稚園の他の子より時間がかかっていた。

✅ 部屋の片付けは苦手。ゲームをするときは説明を読まずに連打していることが多い。

✅ 間違い探しや迷路は苦手というか、あまりやりたがらない。

このような聞き取りから、
もしかしたらA君は「文字をじっくりと注意深く見つめて、線や点の形などを捉えることが苦手なのかもしれない」
という仮説を立てました。

こうした苦手さがあるお子さんは、漢字を繰り返し書いてもなかなか覚えられないことがありますし、お手本を見て再現することが大きな負担になります。

「やるだけ無駄」と思ってしまうのも自然なことです。

A君の学習のズレ

目で見て文字の形を覚えるのが苦手なのに、お手本を見て何度も書いて覚える方法で漢字を覚えようとしていた

一方、「漢字の読み」はすぐにわかるし苦労していないことから、「耳から入る音と大まかな形を結びつけることは本人の中で比較的得意かもしれない」という仮説も同時に立てました。

そこで保護者さんには下記の2点を具体的な教材や書籍と共にオススメしました。

支援方法


◆ デキルバの教材『ニセモノ漢字にだまされるな』で小学2年生の漢字から少しずつ取り組んでみること

◆ 新しい漢字を学ぶときは、漢字のパーツをつかった語呂合わせで覚えること(例えば小3で習う「暑」であれば「おさま、なに すぎる」のように)

画像:デキルバの教材『ニセモノ漢字にだまされるな』と、漢字のパーツを語呂合わせで覚える方法の例。小3で習う『暑』を『お日さま、なに者?暑すぎる』と分解して覚える。

その後も、月1回のZoom相談で様子を確認し、負担が大きくならないように調整をしながら学習支援を継続したところ、小学3年生の終わり頃には「友達が漢検受けるらしいから俺も受けてみようかな〜」と自分から言い出すほど漢字に対して自信が持てるようになりました。

一時は不登校になりかけていた学校も、「めんどくさいし疲れるけど前よりはマシ」になったそうです。

事例2】
「九九の暗唱が苦痛」から「九九楽しい!」に変わったBさん

子どもが「九九の暗唱」を激しく嫌がります…。

確かに「ししち」「しちしち」などは言いにくそうではあるのですが、「絶対にしない!!!」と泣き叫んで拒絶します。

親が「やらなくても良いよ」と言うとそれはそれで「なんでそんなこと言うの!?」と火に油を注いでしまいます。

学校の先生も「無理しなくても良いですよ」と言ってくれているのですが、自分だけ九九がわからないのも本人的には許せないようで…💦

やるのも嫌だし、やらないのも嫌。「親や先生が自分をいじめる」と言っています💦

しかし毎日の宿題で出されているものだし、子どもが辛い思いをしているのを見ているのも辛いです。どうしてあげればいいんでしょうか?

九九の暗唱を拒絶するけれど、やらないのも嫌となると、親としてどうしてあげたらいいかわからなくなりますよね。

このケースでも、デキルバのZoom相談を通じて、お子さんのこれまでの様子などを細かくお聞きしていきました。

すると以下のようなことがわかりました。

✅ くり上がりのたし算・くり下がりのひき算は今も苦手そう。

✅ 音読の宿題はそこまで嫌がらないが読むのは遅い。

✅「聴力」に問題は感じたことはない(生活をしていて呼びかけに反応しないなど)。

✅ 人形などを使ったごっこ遊びは好きでよくやっている。テレビゲームはあまり興味がない様子。

✅ お金や時計はちゃんと教えたことがなく、理解しているか怪しい。

これらの情報から、もしかしたらBさんは「耳から入ってきた音と文字・数字を結びつけることが苦手なのかも」という仮説を立てました。

Bさんの保護者
Bさんの保護者

確かに。就学前は「てれび」って書こうとして「てりひ」って書いたり、鏡文字になったりすることが多かったです。今もカタカナだと書き間違いが多いです。

Bさんは九九カードを読み上げて暗唱するという方法で九九を覚えようとしていました。しかし「耳から入ってきた音と文字や数字を結びつける」部分に苦手さがあるので、Bさんにとって九九の暗唱は「いくら頑張ってもできないことを繰り返しやらされる」という苦行でしかありません。

よくある「クラスの全員の前で九九をテストする」なんてことがあればなおのこと。

Bさんの学習のズレ

音と文字・数字を結びつけるのが苦手なのに、九九カードを読み上げて暗唱して覚えようとしていた

今回のケースでは、BさんにもZoomに参加してもらい、九九がわかるようになっていくミニ授業をしました。

支援方法


◆ デキルバの教材『数シート』とおはじきを使い、人形のすごろく風に遊んでみる。

◆ 2人でじゃんけんをして、講師が勝てば2点GET・Bさんが勝てば5点GETで、得点の分だけ数シートに置いた人形を進ませる。

◆ 先に20点に着いた方が勝利。

画像:デキルバの教材『数シート』とおはじきを使ったじゃんけんすごろくゲームの様子。じゃんけんに負けて敗北が決定した瞬間のなかッち。
▲じゃんけんに負けて敗北が決定した瞬間の講師なかッち

本人の好きな「ごっこ遊び」をモチーフに、遊んでいる内に、耳からの音ではなく目で見て九九の仕組みが理解できていくというアプローチ方法です。

子どもがじゃんけんに勝つたび、「今は10だから5マス進んで次はどこ?」と聞き、到達した場所にクリアおはじきを置いていきました。

ゴール地点を変えたり、勝ったときに進むマス数を変えたりしながら繰り返し遊んでいると、Bさんが途中で

「これかけ算の九九だー!」と気づきました。

そして

「九九なのに楽しい!」と元気な声がかえってきました。

すごろく遊びをしながら一緒に九九を確認していくことで、苦手意識が大きく改善されたのです。

その後、ご家庭で宿題の暗唱の代わりに、このジャンケンゲームと九九の確認を毎日自分からするようになり、「なんとか九九のテストにも合格できました」とご連絡をいただきました。

【事例3】
「文章題になると怒り出す」から「まずは一度やってみる」になったC君

うちの子は小学4年生なのですが、文章題が苦手なようで。

計算は問題なくできるのに文章題になると途端に手が止まり、だんだんイライラしてきて怒りながらプリントを破り捨ててしまいます…。

授業やテストでもそのような状況らしく、学校からも「どうすればいいか教えてほしい」と連絡がありました…。そんなの私が教えてほしいくらいです…。

文字を読むことがそもそも興味がないようで、音読はもちろん、漫画も読みませんし、Youtubeのテロップなんかも全く見ていないと思います。

一応、図鑑のような本を読むこともありますが、文字は読んでいるのか不明です…。

国語や社会科も興味がある内容しかまじめに勉強せず、それ以外はいくら言っても勉強しようとはしません。理科だけは実験があるからと参加しています。

放課後等デイサービスにも行っていますが、そこでは本人の好きなことをメインに自由に過ごすといった様子で、学習に関してはノータッチです。

こちらもZoom相談でお話をじっくりと聞いていきました。しかし、文章題があるとわかった瞬間に完全拒否という状態だそうで、学習に関してはなかなか手がかりが得られませんでした。

放デイに通っている情報から、何か発達で気になることがあったのかをお聞きしたところ、「小1の頃から行き渋りや五月雨登校が続いていて、診断は出ていないけどASDの傾向が強そうとクリニックで言われたとのことでした。

そこから更にお話を伺っていくと、短い文章であれば自力で読んで理解できるし、興味のある内容なら本も読めるということがわかりました。

お話を伺っているうちに、「この子はもしかしたら…」と思い、保護者さんに「大変失礼なことをお聞きするので不快になったら申し訳ありません」と前置きをしてこうお尋ねしました。

「あんまり他人に興味がなかったり、自分の興味がないことには全く無関心だったりしますか?」

保護者さんは「ぜんっっぜん興味持ってないです!」と前のめりに教えてくださいました。

そこで、C君はもしかしたら「興味の落差が激しくて、わかる言葉に大きな偏りがあるのかも」という仮説を立てました。

興味の偏りが大きい子は、言葉に触れる経験の偏りから、わかる言葉にも偏りが生まれることを示した画像。
C君の学習のズレ

「興味の幅が狭く、知っている言葉に偏りがある」のに、教科書通りの文章題を解こうとしていた

「勉強」というものは「興味」が原動力です。

興味があってはじめて、言葉や文字から情報を読み取ろうという意欲が湧きます。

極端な話、この世界に一人で生きていたら文字を書く必要も、言葉を読み取る必要もないわけです。

「興味の偏りが大きい子」は、こうした「さまざまな文字に注意を払って読み取ろうとする経験」が、定型発達といわれる子どもたちよりも少なくなることがあり、小学4年生くらいから文章題についていけなくなることが多いのです。

そこで今回は短期的な視点、長期的な視点の2つのアプローチを提案しました。

支援方法


①短期的な視点

文章題に書かれている言葉を、本人の好きなものや好きなゲームなどに書き換える。可能であれば、絵や絵文字を使って文章題の中の文字を減らすのもあり。

画像:文章題の言葉を子どもの好きなものに書き換え、絵や絵文字を添えて作り直した手書きプリントの例。

②長期的な視点

今通っている放デイのような、本人が安心できて、かつ楽しく過ごせる場所を増やしていく。その中で趣味の近い人たちとコミュニケーションをとる機会を増やしていきつつ、興味の幅を少しずつ広げていく。

興味がありそうならデキルバのゲームクラブなどのクラブ活動にも参加してみる。

画像:デキルバのオンラインゲームクラブのロゴと説明。

その後学習支援をしながら、毎月のZoom相談でC君と少しずつ雑談をしたり、勉強の悩みを解決したりしながら信頼関係を築いていきました。

同時にゲームクラブにも参加し、年の近い子どもたちとチャットのやり取りなどもするようになっていきました。

初めての相談から2年後。小学6年生になったC君は「今でも勉強はそんなに好きじゃないけど、プリント破るほどじゃない。プリント破るとか昔の俺やばいやん(笑)」と笑って話してくれました。

保護者の方に話を聞くと、

「相変わらず興味の差は激しいけど、興味がなかったり難しそうだったりする問題でも、まずは一回やってみて、わからんかったらデキルバに相談すればいっかーと思ってようです」

と教えてくださいました。

3つの相談事例から見える「学習のズレ」

ご紹介してきた3人の子どもたちに共通していたのは

一般的に「正しい」とされる勉強法で頑張っていたけれど、その子にとっては「あっていない」勉強法だったということ。

つまり「学習のズレ」があった
ということです。

ドリルを買ってきても、勉強時間を増やしても、ズレたまま量を増やしているだけでは状況は一切改善しません。

大切なのは 「もっとやらせる」ことではなく、「なぜつまずいているのかを正しく知る」こと です。

図解:3つの事例の表面の困りごと・本当の原因・アプローチを一覧にした表。共通点は、正しいとされる勉強法がその子には合っていなかったこと。

ただ、この「学習のズレ」に親御さんだけで気づくのはとても難しいです。

こうした”ズレ”は、普段の生活や勉強の様子、入学前の発達の様子、遊び方の好み、ちょっとした会話の特徴——専門的な知識を持った人がさまざまな角度から観察して初めて気付ける、とても高度な技術を要することだからです。

3つの事例の保護者さんたちも、お子さんのことを誰よりも見て、考えて、たくさんの方法を試してこられた方ばかりでしたが、自分の子どもの「学習のズレ」には気づけませんでした。

それは当然のことです。

子どもの学習のつまずきの多くは、一人で解決できるものではありません。

だからこそ、専門的な知識を持った外部からのサポートが重要になってくるのです。

学習サポートコミュニティ「デキルバ」では、専門的な知識・経験が豊富な講師陣が、Zoom相談や質問掲示板を通じてお子さんの学習の様子を丁寧にお聞きし、つまずきの背景にある「学習のズレ」を一緒に探していきます。

そのうえで、お子さんに合った教材や学習の工夫を、具体的にご提案しています。

お子さんの学習の悩み、もう一人で悩まなくて大丈夫です。

僕たちと一緒に、お子さんに合った学び方を探していきましょう。

デキルバがどんな場所で、どんなサポートが受けられるのか、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。▼

記事執筆
画像:発達障害や学習障害の子どもも夢中で遊びながら楽しく勉強がわかるようになる教育サービス「デキルバ」の主宰中道貴洋のアイコン。

なかッち|中道 貴洋
デキルバ主宰。夢中力クリエイター

塾講師、小学校教員、児童指導員を経て現在に至る。著書『苦手さのある子も夢中になる算数遊び&教材アイデア』『苦手さのある子も夢中になる国語遊び&教材アイデア』、寄稿『授業力&学級経営力2024年3月号』『特別支援教育の実践情報2025年5月号』、他講演多数。

 

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