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「好きな事で生きる」と「好きな事でしか生きられない」の違い

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子育て(特に発達に偏りのある子の育て方)では「好きを活かした生き方ができるようにしましょう」と聞きますよね。

僕も心から賛成ですし、まさにこのデキルバを創ったのも、お子さんの「好き」を増やし、活かしていけるようにしたかったからです。

だけど注意しておいてほしいことがあるので、今日は「好きを活かして生きる」と「好きな事でしか生きられない」の違いについてお伝えしようと思います。

「好きを活かす」にはグラデーションがある

ところで大人の皆さんは「好き」を活かして生きているでしょうか?

大きな声で自信を持って「はい!!!」と言える人もいれば


「一部は好きだけど全部ではないかな」と言う人


「毎日しんどいけどたまの息抜きでがんばってる」と言う人など


状況によって色々あるかと思います。

そう。「好きを活かして生きる」といっても

僕も現在、このデキルバを創って皆さんのサポートをすることで生計を立てていますが「好き!!!」と言える部分はそこまで多くありません(笑)

好きな事
・アイディアを活かした教材を作ること
・皆さんと話して悩みを解決すること
・ライブ授業を子ども達に届けること
・画像などをデザインすること

僕の「好き」の部分は実はこれぐらいです(笑)

ではデキルバの運営に関する、集客、営業、システム構築、メンテナンス、顧客管理、会計、ライティング、動画の撮影編集、事務処理などなど

全部一人でやっているその辺はどうなのかというと

「できればやりたくないけど、好きを活かすためにやんなきゃな〜」

と思っている事です。なので人に頼れる部分はどんどん頼っています。

良い塩梅」を自分なりに見つけて上手く付き合ってるわけですね。

好きな事でしか生きられないとは?

この「良い塩梅」を見つけられずに極端な状態に陥っていくと

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グラデーションの幅はとても大きいんです。

「感情を殺して我慢して生きる」

or

「感情のままに好きな事しかせずに生きる」

という状態になります。どちらもかなり危険な状態です。

前者はうつ病や神経症の発症リスク、自殺リスクなども高まることは明らかですよね。

では後者は?一見ストレスフリーで羨ましいように思いますが、実はこちらも常に強いストレスと強迫観念に怯えながら生きていくことになります。

スポーツで例えると捉えやすいかもしれません。例えば野球。

小さな頃からピッチャーに憧れて、投球が好きで、投球練習だけをずっとずっとしてきた子がいたとしましょう。

野球以外は何もしない!!もちろん目指すはプロ野球のピッチャーのみ!!!

高校も強豪校へのスカウト以外は一切眼中になし!!!

さぁ!全てを捨てて日本一のピッチャーになるぜ!!!

と生きてきたこの子は、途中で肘を故障したらどうやって生きていけば良いのでしょうか?

もしこの子が簡単な読み書きや計算すらできなかったら?

野球以外では人とコミュニケーションを取る自信がなかったら?

その状態でずっと生きてきていたら?

もうプロ野球選手になる以外の道は残されていませんよね。

とても強い強迫観念とストレスと常に戦い続けなければなりません。

実は発達に偏りのあるお子さんで、メディアなどに取り上げられるごく一部の「成功例の一側面」だけを信じてこうした状態になる方は珍しくありません。

「好きな事で生きる」とは「好き」を柱にすること

できればやりたくない事もたくさんある。

それでも「筆舌に尽くしがたいほど我慢ならん!!!」ってものは避けつつも、人に頼ったり、苦手が緩和する方法を見つけたりしながら自分の「好き」を中心の柱として毎日の生活をデザインしていく。

こうした社会で生きる上での「良い塩梅」を見つけていく事こそ「ソーシャルスキルトレーニング」だと思っています。

大事なのは「好きを100!嫌いを0!」という白黒思考ではなく、自分にとっての良い塩梅(あんばい)を見つけていくことなんですね。

僕がデキルバで「遊びで学ぶ夢中体験」を子ども達に届けたいと強く思っているのは

「絶対できない!もう我慢も無理!」と思っていたことが「あれ。この方法ならいける!」とか

「算数は全部嫌いだと思ってたけど、式を書くのが嫌いだっただけで数を捉えるのはいける!」とか

そうした「良い塩梅」を見つけて子ども達に人生の可能性を広げていってほしいからです。

良い塩梅を見つけるには試行錯誤あるのみ

この「良い塩梅」を見つけるのは、僕らのような専門的に学んで経験を積んできた支援者でもすぐにはできません。

客観的な情報から仮説を立て、様々な角度から試してみて、様子を観察し、子どもが何に喜び、何に怒り、何を嫌がって、何を好むのかを細かく細かく見ていく必要があります。

デキルバの教材も、ある子にはハマったけど、うちの子にはハマらなかったなんて事があって当然です。

その試行錯誤を皆さんと共に続けていくために、デキルバでは教材提供だけでなく質問掲示板や月1の個別相談をおこなっています。

ぜひ質問広場から気軽に相談してくださいね。

そして親の目だけでは難しいという場合は個別サポートもおこなっています。

僕の力が必要なときはいつでも仰ってください(о´∀`о)

さいごに

ありがたい事にTwitterのフォロワーが12,000人を超え、毎日6万人以上のスマホ画面に僕の投稿が表示されるようになりました。

すると最近「無理に勉強させる必要なんてないでしょ!!」とか「このやり方でできない子もいますけど無理強いするんですか!?」とか送ってくる人も増えてきました。

こうした方はTwitterだけじゃなく教育現場にもいますし、親に対しても「無理に勉強させずに好きな事を活かして自信を持ってほしいのでー」とか非常に耳触りの良いことを言います。

これを読んでいる方に気をつけておいてほしいことは、その人のその言葉は子どもの人生に責任を負うつもりで本気で心から言ってくれているのか、自分に知識やスキルがなくて楽したいだけで言っているのかを見極めることです。

子どもの人生がどうなるかは、10代までの親の接し方が大きく影響します。

お子さんが「良い塩梅」を見つけて生きやすくなるように、これからも一緒に試行錯誤していきましょうね!

※参考文献
幼児期の親の関わりと子どもの行動ー親アンケートによる探索的予備調査ー
『自分をコントロールする力』森口佑介
『レジリエンスによる学習継続困難リスクを抱えた学生への支援』松永繁

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