なかッち先生が保護者の聞きたいテーマに合わせて色んな疑問を解決したり、家庭学習のヒントになることをお話したりしている「週末しゃべるば」ですが、なかなか参加できない方やアーカイブを聞く時間がない方もおられますよね。
そこで、この記事では「しゃべるばのまとめ」として私、さつまいもの視点で大事だと思ったポイントを記事にまとめていきました。
今日は、2025年10月10日のしゃべるば「不安が大きく挑戦したがらない子にはどうすればいい?」の内容を紹介します。

デキルバメンバーのさつまいもです。小三の長男と、年長の双子がおり、三人とも毎日家で過ごしています。教科書を読み、問題を解くスタイルの「勉強」に取り組めない長男が、どうすれば少しでも学んで成長していけるか悩んでいる時にデキルバを知って入会しました。よろしくお願いします。
そもそも、今はチャレンジできる状態?
子どもには新しいことにチャレンジしてほしいと思いますよね。
けれど失敗する事への不安感が強く、なかなかチャレンジできない子たちがいます。
特に不登校などのきっかけになった大きく傷ついた経験から、不安が強くなっている場合はまずその子が今、チャレンジできる段階 にいるのかを見極めることが大切とのことです。
なかッち先生によると、デキルバに来る子たちの回復には一定のプロセスがあるそうです。
世界を純粋に楽しめていた時期から、勉強・人間関係などの不調和から傷ついた経験を経て、ストレスから逃避して自分を守る段階に入ります。
行き渋りや不登校の初期はこの段階であることが多いです。
この時期に無理をさせると、かえって深く傷ついてしまいます。ここでは何よりもまず、ストレスの元となるものから離れて心身を守ることが先決です。
それから次に考えるべきことは「身体機能の回復」が最優先です。
ごはんが食べられているか、眠れているか、排泄や身だしなみなど、基本的な生活リズムを整えることが回復への第一歩になります。

元気に見えても安心するのはまだ早い
日常生活が徐々に整ってきても、まだ精神面は回復の途中です。
家では元気そうに見えても、「他の子はできているのに自分はできていない…」などの葛藤を抱えていたり、夜一人になると急に不安が込み上げてきたりします。
ここでは何かを教えるよりも、一緒に話したり、安心して過ごせたりする時間を持つことが大事です。
なかッち先生は、デキルバの子たちと接する際、「この人となら話してみよう」と思える信頼関係を育てながら、ポジティブな反応を返していくことで 子どもの尊厳を取り戻すこと を意識しているそうです。
それが少しずつ小さな挑戦に繋がり、やがて周囲の人たちからのポジティブな反応を受け入れるようになっていくことで少しずつ自信が回復していきます。

上記の図のように、本人の心も少しずつ回復してきたなーと感じたら、まずは本人の好きなこと・得意なことから取り組んでいくと良いそうです。
お子さんの性格にもよりますが、この段階の子は、「絶対に負けることのない安心安全な世界」を好むことが多いそうです。
ゲームであれば、レベルをマックスにして絶対に勝てる状態で敵に挑むような、いわゆる「無双状態」で繰り返し遊ぶような姿が見られます。
完全に自分のコントロール下にある安心できる環境を遊び飽きるまで堪能しながら、少しずつ自信と好奇心を再構築しているような段階なのだそうです。
親としては「こんなことばっかりしてて良いの?」と心配になるのですが、順調に自信や好奇心が回復してくるとやがて物足りなさを感じ始めます。
それが次のステップに進む合図だそうです。
子どもにちょうど良いレベルとは?
次のステップに進むときの参考になるのが下記の図です。この図は子どもが取り組む課題の難易度のイメージを表しています。

まず、子どもが今のままでも安心して取り組めていることが「緑の安心ゾーン」です。
先ほど書いた「ゲームの無双状態」のような活動はここに当てはまります。
安心ゾーンから大きく外れてしまうと、「赤のパニックゾーン(またはデンジャーゾーン)」に入ってしまいます。
家でゲームができているからといきなり学校に連れて行く、急に苦手な勉強に取り組むなど、子どもが強い拒否反応を起こしたり、心身が疲弊しきってしまうような活動がイメージしやすいかと思います。
注目してほしいのは安心ゾーンのすぐ外側、教育心理学でいう「橙の最近接領域」と呼ばれる部分です。
この「最近接領域」とは、適切な支援や足場かけがあれば少しずつチャレンジしていくことができ、子ども自身も成長を実感しやすいと言われている領域です。
なかッち先生いわく、この領域は子どもの特性や心身の状態によって大きな個人差があるそうです。
特にデキルバに来る子たちは、自信や好奇心が回復していない状態の子が多く、最近接領域が狭い上にできるできないの差が激しいそうです。

この薄皮のような領域を見つけ、適切な課題を選択できるかどうかが支援者の腕の見せどころだそうです。
そして課題ができたときは「すごい!できた!」でそれ以上進めないのもポイントとのこと。
ここで「じゃあこれもいけるね」と追加課題を出したり、性急にレベルアップをしたりすると、子どもは「挑戦するほど負荷が増える…」と感じてしまいます。
まずはできるようになった課題で「余裕!天才!」と思えるぐらい成功体験を重ねていくことで安心ゾーンが広がり、次の挑戦を支える土台になるのだそうです。
とはいえこの課題の設定はとても難しく、なかッち先生は「バツグンに勘が冴えてるときでも成功率7割ぐらい」と言われていました。普段であれば2回に1回上手くいけば御の字だそうです。
今回の話をまとめると、「できそうなことから少しずつやっていこう」ということです。
また、支援者と違って親の唯一無二の利点は「多少失敗してもいいこと」との話もありました。
多少失敗しても気にせず、「これどう?」「いや?」「あ、そう〜」くらいの軽やかさで大丈夫。
深刻な問題ほど、気軽に、軽やかに取り組んでいくのが上手くいく秘訣なのだとか。
うちの子は最近まさに「無双状態」を楽しんでいる真っ最中です。このままで大丈夫なのか…とも思いますが、焦らず子どものペースで一緒に歩んでいきたいと思いました。
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なかッち|中道 貴洋
デキルバ主宰。夢中力クリエイター
塾講師、小学校教員、児童指導員を経て現在に至る。著書『苦手さのある子も夢中になる算数遊び&教材アイデア』『苦手さのある子も夢中になる国語遊び&教材アイデア』、寄稿『授業力&学級経営力2024年3月号』『特別支援教育の実践情報2025年5月号』、他講演多数。





